山形県(酒田市)、秋田県(にかほ町)には「経緯度観測点」というものがあります。これは、「ドイツの気象学者が発表した大陸移動説(1912年)」という「現存する大陸は、一つの大陸塊から分裂して現在の位置に移動したもので、これからも移動し続ける」という学説はとても有名です。当時、日本の文部省測地学委員会が1928年に大陸移動説を検証するための「経緯度観測点」として、酒田市の柏木山、飯森山、にかほ町の三崎山の3か所に設けられたものです。

今回は、3か所の「経緯度観測点」をたずねてきましたのでの状況を紹介いたします。
≪1点目は飛島の柏木山です。≫
5月の連休に家内と飛島トレッキングで飛島の遊歩道を歩いているときにたまたま見つけたことから、是非3か所の「経緯度観測点」に行ってみることにしました。飛島は酒田から定期船(とびしま)に乗って75分です。当日は、トレッキング等の観光客と多くの海釣り客でにぎわっていました。
フェリーは飛島の電子基準点と検潮所を横目に飛島港に入港します。一等三角点柏木山には遊歩道を歩くこと約30分程度で到着します。遊歩道には経緯度観測点の案内板があり、一等三角点柏木山の近くに「経緯度観測点」の台座が設置されていました。

≪2点目は飯森山です。≫
10月の多少肌寒い日でしたが酒田市の飯森山は飯森山公園(アジサイが有名)として大変きれいに整備されています。公園の駐車場から歩いて20分くらいで飯森山山頂です。

三角点飯森山(41.6m)は山形県で一番低い一等三角点です。「経緯度観測点」は三角点と一緒に管理されていました。

≪3点目は三崎山です。≫
鳥海山麓、山形、秋田両県の境付近の秋田側のにかほ町に一等三角点三崎山(161.3m)があります。ここは山の中で歩道もないようなので、伐採道具をオートバイに積んで酒田方面へ向かいました。にかほ町の三崎公園付近から国道7号線を降り、砂利道の林道を東へ10分くらい進んだところに自動車到達地点があります。

ここからは、道なき道の藪を伐採しながら15分くらい登ると三角点に到着です。生い茂った樹木の中に一等三角点と並んで「経緯度観測点」の台座が鎮座していました。

今ではGNSS測量が一般化しているため経緯度測量などは行われなくなりました。その当時の測量は三角測量や天文測量が普通でした。酒田市の飛島・飯森山、にかほ町の三崎山など、我々の地元には、当時の先人たちが見た壮大な夢の足跡が見ることができます。
これからも機会があれば、東北にある土木技術の近代化によって残された多くの測量遺産をご紹介できたらと思います。
寒河江支部 高橋俊広

